新米理事長リョスケの奔走ブログ(Vol.5): 終末期医療とDNAR

 

こんにちは、リョスケです。

 

今日は人生の最期の過ごし方についてお話しようと思います。

当院では3階病棟が療養病棟として稼働しております。

その際、ご家族と今後の治療方針についてご相談する機会があるのですが、その際に“人生の最期をどのように過ごされるか”ということをよくお話させていただきます。

 

具体的には、どこまで治療を行うのか、侵襲を加える処置を希望されるか、心停止時に蘇生処置を行うか、などです。

 

よく我々医療者で、DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)、という言葉を用います。
簡単にいうと、心肺停止時に蘇生処置を行わないということです。
これは患者様のご希望に沿うことが前提であり、今後超高齢化社会を迎える日本にとって、もっと注目されるべき内容だと思います。

 

というのも、患者様のご家族と話しをしていると、“いままで、どのような治療を本人が受けたいか、または家族がどのような治療を受けてほしいか、話し合ったことが無いから分からない”とおっしゃるご家族が非常に多かったからです。

 

確かに人生の最期について話し合うことは非常にデリケートであり、難しい問題です。
だからこそ、正月やお盆など、家族が集まった際にお話ししていただくことが重要だと思います。

実際に最期を迎えるにあたり、お身体の状態でご自身の意思をお伝え出来ない方はたくさんいらっしゃいます。
少しでもご本人の意思に沿った最期を迎えていただくために、一度みなさんで話していただけたらなと思います。

 

また、私も最初勘違いしていたのですが、“終末期医療”と“DNAR”は意味が異なります。

日本集中治療医学会から、このような勧告が出されております。

 

1.DNAR指示は心停止時のみに有効である。心肺蘇生不開始以外は集中治療室入室を含めて通常の医療・看護については別に議論すべきである(注1)。

注1

心停止を「急変時」の様な曖昧な語句にすり変えるべきではない。DNAR指示のもとに心肺蘇生以外の酸素投与、気管挿管、人工呼吸器、補助循環装置、血液浄化法、昇圧薬、抗不整脈薬、抗菌薬、輸液、栄養、鎮痛・鎮静、ICU入室など、通常の医療・看護行為の不開始、差し控え、中止を自動的に行ってはいけない。

 

 

上記からすると、“実際に治療をどこまで受けるのか”、と、“心肺停止時にどうするのか”をいっしょくたに考えないよう我々医療者は注意しないといけないですね。
今後当院でも再検討するべき内容であると思います。

 

このように色々偉そうに言っている私も自分の両親とは“DNAR”や“終末期医療”について話したことはないので、時間をみつけて話をしようと思います。
おかんもおとんも元気に長生きしてください。

 


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