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放射線と放射能の話vol.3「病院内での日常の放射線検査」

 前回までの「放射線と放射能の話vol.1」、「放射線と放射能の話vol.2」までで、言葉の定義、被曝とはについて簡単に説明させていただきました。

 

今回は、実際の臨床の現場(病院や検診センターなど)でどのように放射線が使われているかを説明したいと思います。

SHA096.jpgまず、放射線には、様々な種類があります。そのなかで、医療現場で使用している"主役"ともいえるのが、X線です。では、なぜX線が使用されているか?それは「出来るだけリスクが低く、且つ得る利益は最大限である放射線検査」を追及した結果です。

 

医療画像で写っているものは、骨や内臓、筋肉などですが、基本的な原理は普段お使いのデジカメと変わらない"写真"です。写真の原理は、光と被写体、フィルムの関係です。普通の写真と医療画像の違いは、普通のデジカメはレンズから覗き込んだものが、写真となるのに対し、医療画像は被写体を透過した放射線がフィルムに到達するかどうかで写真となります。簡単に言えば、子供の頃に遊んだ影絵のようなものです。

 

つまり医療現場では、被写体(人間)を透過することの出来る放射線ではなければならないことになります。下図1で示す通り、人体を透過できる力を持っているのはX線とγ線だけです。厳密に言うと、他の放射線でも人体を透過することはできますが、体に影響がでないレベルで透過することが出来る放射線はX線とγ線だけです。

 

VEG1029.jpgしかし、核医学検査など除いて、普段の検査でγ線を使用することはあまりありません。γ線の特徴は「細胞に対する直接作用が強い」ことです。

 

現在はあまり使用されなくなりましたが、スーパーなどで売られてるじゃがいもから芽が出ていないことに気づいたことがあるでしょうか?じゃがいもは生命力が強く、収穫しスーパーなどに陳列されるまでの間にじゃがいもに蓄えた養分を糧に芽を伸ばします。

 

しかし、スーパーの陳列棚に置かれたじゃがいもは、芽を出しません。これは、事前に収穫したじゃがいもに対し、γ線を当てて芽を伸ばす細胞を殺しているからです。現在はほとんど使われていないようです。またγ線がじゃがいもに蓄積することはないので被曝の心配はありません。

 

上述した"人体に影響が出ないレベルの放射線はX線とγ線"といいましたが、細胞レベルで考えるとγ線は影響力が強いことはジャガイモの例えでお分かりだとおもいます。

このように、人体に出来るだけ影響がなく、医療画像を提供する上で最適な放射線はX線ということになります。実際にX線で写真を撮ると図2のような写真が出来上がります。
 

放射線の透過力.jpg

図1 放射線の透過力(※人体はアクリルよりは高密度)
 
                

手X線透過.jpg 

図2:X線写真の一例
※筆者の右手のX線写真です。

病院で検査に使用している放射線は主にX線です。X線は上図2のように透過力に優れ、単純撮影(レントゲン写真撮影)では骨折などの診断には不可欠な検査です。X線が発見されて以来100年以上たちその間に医学は急速に発展しましたが、今日でもX線撮影を上回る初診時検査はありません。

 

drp_ct.jpgその応用編ともいえるCT撮影も、現在普及率は日本が世界一位です。使用用途は多岐にわたりその恩恵は絶大なものがありますが、日本以外では保険が使えない検査として扱われている国もあります。救急時の精密検査などにも即座に対応できるCT装置が安心して受けられる体制をとっている国は日本だけともいえます。

 

しかし、安全に使用しているとはいえX線も放射線であることには違いありません。ここで大事になってくるのが、一回の被曝量です。人体に一回の被曝で致死的影響を与えるには100Gy以上の被曝が必要です。身体的影響が出てくるのに必要な被曝量は約100mSvからです。ここでGy(グレイ)とは、放射線の吸収線量を表す単位ですが、人体への影響を考える場合、これに放射線荷重係数と組織荷重係数というものを考慮します。X線の放射線荷重係数は「1」ですが、組織荷重係数はどの組織(水晶体や前立腺など)かが重要になってくるため、ここでは説明を割愛させてもらいます。

 

では実際の現場では、一回の検査でどのくらい被曝しているのでしょうか?おおよそですが、下図3に示すくらい被曝していると考えられます。

 

被曝線量.gifちなみに、成田発ニューヨーク行きの飛行機を往復で乗った場合、宇宙からの放射線の一種、宇宙線による被曝量は約0.1mSvで胸部の単純X線写真を10回撮影したのと同じ位の被曝になります。

 

このように、放射線検査を受けることで被曝することは避けられませんが、前回の話でも出たとおり、少ない被曝は1週間もあればそのダメージは完全になくなります。しかし、検査によって得られる利益は絶大なものがあり、必要不可欠な検査であることがお分かりいただけたと思います。

 

今後、放射線室での検査において少しでも不安なく検査を受けていただくきっかけの話となれば幸いです。

 

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放射線と放射能の話vol.1

放射線と放射能の話vol.2

 

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